炭素繊維ストランドロッドの特徴

今回の耐震補強に用いた「カボコーマ・ストランドロッド」は先端素材の炭素繊維を芯地に使用し、外層を合成繊維や無機繊維でカバーリングしたもので、熱可塑性樹脂を含浸させ作製した熱可塑性炭素繊維複合材料です。
  • 1.引張強度が高く、耐震補強材としては世界最軽量
  • 2.繊細で強靱な構造体
  • 3.軽やかさを演出する優れたデザイン性

施工事例

「CABKOMA ストランドロッド」による補強の試み 「CABKOMA ストランドロッド」による補強の試み

■小松精練旧本社棟改修プロジェクト

小松精練 ファブリック・ラボラトリー [ fa-bo (ファーボ) ]

世界的建築家隈研吾氏設計、炭素繊維素材を用いた世界初の耐震補強構造
~繊維会社が提案する新建材によるファブリック・ラボラトリー「fa-bo(ファーボ)」~

耐震補強材に熱可塑性炭素繊維複合材料「カボコーマ・ストランドロッド」を、世界で初めて用いた世界初の耐震補強で小松精練旧本社棟を改築。エコ建材である超微多孔スポンジ状セラミックス基盤「グリーンビズ」をはじめ、建材としてのテキスタイルを合わせて提案し、ファブリック・ラボラトリー「fa-bo(ファーボ)」として生まれ変わりました。

小松精練 ファブリック・ラボラトリー [fa-bo (ファーボ) ]
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意匠設計隈研吾建築都市設計事務所

構造設計江尻建築構造設計事務所

  • 小松精練旧本社棟の耐震補強・改修工事にて、開発中の炭素繊維ストランドロッド(以下CFロッド)を耐震補強部材として用い、デザイン性のある耐震補強部材の可能性を考慮した提案を行う
  • CFロッド補強はあくまで+αという位置づけであり、在来型耐震補強によって要求されている耐震性能(Is=0.60)を満たす耐震補強を行っている

機械的強度の比較

「CABKOMA ストランドロッド」を巻き取ったロール。
約160mで12㎏と軽量で、手で持ち運びができる。
同等の強度を持つメタルワイヤなら約5倍の重量になる

CABKOMA ストランドロッドの機械的強度特性

写真のストランドロッドと鉄筋はほぼ同強度。小松精練では2010年から「CABKOMA」開発に着手、「いしかわ次世代産業創造ファンド事業」に採択され、2012年度からは経済産業省「先端技術実証・評価設備費等補助金」を受けて、研究開発を進めていた

補強効果補強概念図
  • 外装CFロッドドレープと内装間仕切りブレース耐力壁による耐震補強を行った。
  • 地震時の耐力評価とともに、補強部材が既存建物に悪影響を及ぼさないことの検討も構造検討の目的とした。
  • 補強クライテリアの目標値は次の通り → 外装CFロッド:3% 程度 / 間仕切りブレース耐力壁:10% 程度
補強の考え方
建物の耐震補強案のFu’=1.0相当の層間変形角(1/250)において、補強目標値を満足する様に補強を計画した。

※1 F=1.0の変形時において補強により目標値(10~13%)を満たす
※2 F=2.0の変形時において、せん断壁耐力が20%残っている事でls>0.60を満たす(上記変形時において第2種構造要素材が無い様にする必要がある)

外 装CFロッドドレープ
CFロッドの引張ブレース効果による、耐震補強提案であり、屋根レベルと地上レベル(基礎レベル)を繋ぐことで、建物全体の補強効果を得ることが可能

補強効果の検証

内 装間仕切りブレース耐力壁
CFロッドを斜めにメッシュ状に配置した引張ブレース補強工法の提案であり、周辺の鉄骨フレームと既存躯体を緊結することで、CFロッドの引張抵抗による補強効果を得ることが可能

補強効果の検証